研究課題/領域番号 |
18590337
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 利光 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80018952)
|
研究分担者 |
星 暢夫 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70274959)
日下部 崇 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10325954)
|
キーワード | LXRα / ヒト癌細胞株 / LXRα mRNA / 免疫組織化学 / RXR / SREBP-1c / iRNA / LXRα agonist |
研究概要 |
1.ヒト癌細胞株におけるLXRαの発現 免疫組織化学では胃癌8株中5株に特異的な陽性所見が得られ、特にMKN28、KWS-1、TSGでは核小体に陽性であった。一方、膵癌株(n=4)、黒色腫株(n=1)、骨髄腫株(n=1)ではいずれも細胞質に検出されたのみで、核は陰性であった。 2.ヒト癌におけるLXRαの発現 肺癌(n=55)ではわずか1例に、精細胞腫・未分化胚細胞腫(n=42)では2例に、また胃癌では30例中2例に陽性所見得られたにすぎず、臨床病理学的な意義づけはできなかった。 3.胃癌株におけるLXRα mRNAの発現 胃癌株3株(KATOIII、MKN28, MKN45)にLXRα mRNAの発現が確認された。それに応じて、RXRα/β、PPARα、SREBP1c/1aの各mRNAの発現も認められた。したがって、これらの胃癌株ではLXRα-RXR-SREBP1cの経路が樹立されていると判断された。 4.RNAによるLXRα mRNAの発現抑制 MKN28を用いて、LXRα mRNAの発現をiRNAにより抑制した。その結果、細胞の形態・増殖能に著変はみられなかった。また、LXRα mRNAのdown-regulationに応じ、RXRαおよびSREBR-1cmRNAの発現も減じた。 5.LXRα agonist (T0901317)による胃癌株の増殖抑制実験 最近、TXRαのagonist(T0901317)により前立腺癌株細胞の増殖が抑制される事が報告された。MKN28で予備的に増殖低下を認めているが、目下再実験中である。 結論:LXRαの発現は肺癌・胃癌・胚細胞癌などではかなり頻度が低い。しかし、胃癌では少なくとも細胞株では比較的高率に発現しており、LXRαの発現している胃癌はそのagonistにより治療できる可能性が示唆された。
|