研究課題
基盤研究(C)
17年度カールツアイス社製蛍光顕微鏡、CCDカメラ、カラーカリオタイプソフトウエアの設備が完了しました。さらに、共同研究者であるSteven Poon博士をカナダのBCがんセンターから招聘し、テロメア測定のソフトウエアであるTLF-Tolo version3(version1は公開済み)を新たに導入し、定量的蛍光in situ hybridization (Q-FISH)法により細胞分裂中期の染色体長・短腕別テロメア長(本邦1番目)測定が可能となり、いくつかのデータを得ることができています。以下に列記します。1.甲状腺癌細胞と、7種のTIG細胞の細胞老化に向けての染色体長・短腕別テロメア長の推移を測定した結果、染色体17番短腕が共通して短縮傾向を示した。甲状腺癌細胞に関しては、論文が発行済みです(研究発表:Int J Mol Med、2006)。2.担癌非癌部食道上皮細胞と癌細胞の染色体長・短腕別テロメア長を測定し、長・短腕の間にはテロメア長に差のないことと、がんでは15-10%短いことがわかり現在論文を作成中です。3.2名のワーナー症候群患者から得られた培養線維芽細胞のカリオタイプ分析から患者毎に特定の染色体での転座が高頻度に生じていました。2名の細胞分裂中期の染色体の平均テロメア長は10.1kbp、5.0:kbpであり皮膚組織のサザンプロットの結果と類似した値を示しました。4.ダウン症候群患者由来および18番トリソミー患者由来のリンパ球細胞の染色体長・短腕別テロメア長を測定し、トリソミー関連染色体のテロメア長は他の染色体との平均との比較では差は認めない。この他に現在までにウエルナー患者由来の皮膚組織のサザンプロットを実施し、正常皮膚と比較して年間短縮率が約3倍を示すことを確認しています。現在は皮膚組織の組織Q-FISHの予備実験中であるがメラニン色素の処理について検討中です。
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Human Pathology (in press)
Int J Mol Med 18・1
ページ: 9-16
Exp Gerontol 41・9
ページ: 882-6