研究概要 |
研究進行に当たっては共同研究者であるSteven Poon博士をカナダのBCがんセンターから招聘し、テロメア測定のソフトウエアであるTLF-Telo version 3(version 1は公開)を、調整した(ソフトがやや不完全)。しかし、定量的蛍光in situ hybridization(Q-FISH)法により細胞分裂中期の染色体長・短腕別テロメア長(本邦1番目)測定データを得ることができました。以下に列記します。 1.6例のワーナー症候群患者からの真皮線維芽細胞を収集し培養後カリオタイプ分析を行いました。 2.前記6名のワーナー症候群患者から得られた培養線維芽細胞のカリオタイプ分析から患者毎に特定の染色体での相互転座が高頻度に生じていました。3例の細胞分裂中期の染色体の平均テロメア長は10.1kbp、5.0kbp,6.1kbpでした。 3.ワーナー症候群遺伝子搭載の8番染色体のテロメアは、特異的に短くなかった(1例)。 4.ワーナー症候群と同様に早老症であり癌の好発疾患であるダウン症候群患者由来および18トリソミー患者由来のリンパ球細胞の染色体長・短腕別テロメア長を測定し、トリソミー関連染色体のテロメア長は他の染色体との平均との比較では差は認めないことがわかった。 5.真皮ではメラニン色素の存在のために、組織FISH法でテロメア長を測定することは困難であったが、メラニン色素の消化法を用いることにより、測定が可能となった。
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