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2007 年度 実績報告書

アルツハイマー病発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18590355
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

石神 昭人  財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50270658)

キーワードアルツハイマー病 / 神経変性疾患 / シトルリン化蛋白質 / ニューロン / アストロサイト / アポトーシス / カルシウム / アルギニン
研究概要

アルツハイマー病患者の脳におけるシトルリン化蛋白質の生成、蓄積を免疫組織染色により調べた。その結果、アルツハイマー病患者の脳(海馬とその周辺)では、シトルリン化蛋白質の異常な蓄積が確認された。一方、正常脳では、シトルリン化蛋白質は、ほとんど検出されなかった。また、シトルリン化蛋白質を産生する酵素PAD2もアルツハイマー病患者の脳で増加していることが確認された。染色像を強拡大した結果、シトルリン化蛋白質、PAD2陽性細胞は、グリア細胞のひとつであるアストロサイト様の形態を示した。検証するため、アストロサイトのマーカー蛋白質であるグリア線維性酸性蛋白質(GFAP)との蛍光二重染色を行った。その結果、GFAP陽性細胞とシトルリン化蛋白質、 PAD2陽性細胞が良く一致した。これらの結果は、アルツハイマー病患者の脳ではアストロサイトにPAD2が多く発現し、同細胞にシトルリン化蛋白質が多く蓄積していると考えられる。同時に、アミロイドベータ蛋白質(Aβ)やリン酸化タウに対する抗体を用いた連続切片による免疫組織染色を行った。
その結果、Aβ陽性の老人斑やリン酸化タウ陽性の神経原線維変化とシトルリン化蛋白質陽性の染色部位がよく一致した。Aβやリン酸化タウがシトルリン化されているかは未だ明らかではない。アルツハイマー病では、海馬以外にもPAD2の発現が亢進しているかを調べるため、他の部位(小脳、頭頂葉、扁桃核、橋)についてもPAD2の免疫染色を行った。その結果、調べた全ての部位で正常脳に比べてアルツハイマー病ではPAD2の発現亢進が確認された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Hepatoprotective effect of Arazyme on CCl_4-induced acute hepatic injury in SMP30 kncck-out mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Park, JK., Et. al.
    • 雑誌名

      Toxicology 256

      ページ: 132-142

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヒト表皮におけるシトルリン化タンパク質の動態.2008

    • 著者名/発表者名
      浅賀 宏昭, 他
    • 雑誌名

      医学と生物学 152

      ページ: 26-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ビタミンC不足は慢性閉塞性肺疾患の発症リスクを高める.2008

    • 著者名/発表者名
      石神 昭人
    • 雑誌名

      ビタミン 82

      ページ: 39-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Significance of SMP30 in Gerontology.2007

    • 著者名/発表者名
      Ishigami, A., et. al.
    • 雑誌名

      Geriatrics & Gerontology International 7

      ページ: 316-325

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Microglial expression of peptidylarginine deiminase 2 in prenatal ratbrain.2007

    • 著者名/発表者名
      Asaga, H., et. al.
    • 雑誌名

      Cell.Mol.Biol.Lett. 12

      ページ: 536-544

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ビタミンCの不足が老化に及ぼす影響.2007

    • 著者名/発表者名
      石神 昭人
    • 雑誌名

      ビタミン 81

      ページ: 303-308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肺の老化メカニズム.2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤 匡, 他
    • 雑誌名

      THE LUNG perspectives 15

      ページ: 155-160

    • 査読あり
  • [学会発表] 生体内におけるカルニチン合成へのビタミンCの関与.2008

    • 著者名/発表者名
      古澤 元, 他
    • 学会等名
      第128回日本薬学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20080326-28
  • [学会発表] デジタル老化説-マウス肝臓におけるSMP30の加齢変化-.2007

    • 著者名/発表者名
      半田 節子, 他
    • 学会等名
      第30回日本基礎老化学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20070620-22
  • [学会発表] グルコノラクトナーゼ活性は加齢で低下する.2007

    • 著者名/発表者名
      近藤 嘉高, 他
    • 学会等名
      第59回日本ビタミン学会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20070524-25
  • [学会発表] ビタミンCの不足は老化を加速する.2007

    • 著者名/発表者名
      近藤 嘉高, 他
    • 学会等名
      第61回日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20070517-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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