研究課題
基盤研究(C)
FRETプローブを1週間程度MDCK細胞で発現させるためにレンチウイルスで感染可能なプラスミドを構築した。以前のプローブは、アクチンプロモータ下で「YFP-低分子量G蛋白質-活性化型G蛋白質に特異的に結合する分子-CFP」をひとつのプラスミドで発現させるようにしていたが、これではYFP・CFP共に蛍光を発する細胞株を得ることが難しいことがわかった。その理由として、YFP・CFPともに、オワンクラゲのGFPに変異を導入したものであるため、相同性が高く、ゲノムにインテグレートされる際にどちらかが脱落するためであることが考えられた。そこで、近年、アザミサンゴから単離されたアザミグリーンの変異体をCFPの代わりに用いたプラスミドを構築し、RasおよびRap1のFRETプローブ発現細胞を得た。HeLa細胞においては、顕微鏡観察可能な程度の蛍光を発することが出来たが、MDCK細胞では2つの蛍光蛋白質は共に発現はするが、一過性発現に比べると蛍光が弱く、現在の顕微鏡セットでの観察はほとんど不可能であった。他のFRETプローブとしては、G蛋白質ではArf6の構築を行ったが、Rasなどと異なり、活性化因子であるGEFが活性化型Arf6と恒常的に結合することを明らかにした。これにより、従来のように活性化するとFRET効率が上昇する型のFRETプローブではArf6の活性を感知できないことがわかった。また、イノシトールリン酸群のFRETプローブの構築にも成功した。2次元培養では脂質局在が極性形成に関与していることを明らかにした。
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Mol. Biol. Cell (in press)