1、骨ホメオスタシスを担うプロモーターの同定 オステオポンチン遺伝子転写開始点より5505bpにGFP cDNAを連結したトランスジーンを有するトランスジェニックマウスの骨細胞は力学的負荷、卵巣摘除によってGFPを発現していた。しかし、オステオポンチン遺伝子転写開始点より3156bpを連結した場合、GFPの発現は認められなかった。したがって、オステオポンチン遺伝子上流域-3156と-5505の間にメカニカルストレス対応部位、およびエステロゲンレベルの減少に対応した部位があることが証明された。 2、培養細胞レベルでの解析 新生児トランスジェニックマウスの頭蓋骨より骨芽細胞系細胞を分離し、初代培養を行った。この細胞はメカニカルストレスに対応してGFPを発現した。さらにこの細胞にさまざまな長さのオステオポンチンプロモーターを連結したルシフェラーゼcDNAを導入し、メカニカルストレスに対応してルシフェラーゼの活性変動を測定したところ、-3983と-3156の間にメカニカルストレス対応部位があることが判明した。しかしながら、-3983から-3156のみをβ-アクチンプロモーターに連結してもメカニカルストレスに対応したルシフェラーゼ活性の上昇は認められず、-3983から-3156の間のプロモーターが効果を発揮するのは-910から-1の基本転写活性領域が必要であることが判明した。 3、Truncatedオステオポンチン遺伝子の生体に与える影響 オステオポンチン遺伝子cDNAを改変し、カルシウム結合領域、あるいは細胞接着領域を欠失させた。この遺伝子をオステオポンチン遺伝子ノックアウトマウスに導入したところ、著しい骨密度の低下を認めた。 特に細胞接着領域の欠損マウスに骨の矮小化を含む症状を認めた
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