研究概要 |
1.筋線維芽細胞の樹立とその特異性 (1)ラット皮膚線維芽細胞株の単離とその細胞特性: Wistarラット皮膚全層切開縫合創組織を培養器に移し初代培養後クローニングする。その後細胞を回収し、線維芽細胞の特異的マーカー(Pro1y1-4-hydroxylase)や間葉系細胞の特異的マーカーの発現性(Vimentin, Desmin)をウエスタンブロット法で確認し、その発現特異性から線維芽細胞を選別した。 (2)TGF-β1による筋線維芽細胞の誘導: 上記の線維芽細胞にTGF-β1を投与し、経時的にα-SMAの発現性をウエスタンブロット法で確認し、α-SMAの発現増加を指標にして筋線維芽細胞株4株(1-0,1-10,2-0,2-10)樹立した。さらに倒立顕微鏡にてこれら筋線維芽細胞の形態的観察や共焦点レーザー顕微鏡によるα-SMAの細胞内分布パターンを観察し個々の筋線維芽細胞の分化誘導能を判定した。 2.bFGFによる筋線維芽細胞のアポトーシス誘導 TGF-β1により分化誘導された筋線維芽細胞株4株に血清除去を施行し、bFGFを添加後0,24,48,96時間目にTUNEL染色でアポトーシス誘導能を観察した。このアポトーシス発現過程で経時的に蛋白を回収し、活性化カスパーゼ3の発現性を解析した。その結果2-0と2-10細胞に96時間目に活性化カスパーゼ3の発現増加がみられ、bFGFによる筋線維芽細胞のアポトーシス誘導能亢進が確認された。
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