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2006 年度 実績報告書

前立腺がん骨転移に関わる性ホルモン作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18590389
研究種目

基盤研究(C)

研究機関国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター)

研究代表者

落合 淳志  国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 臨床潰瘍病理部, 部長 (60183034)

キーワード前立腺がん / 骨転移モデル / 破骨細胞 / アポトーシス / 造骨性転移機構 / PSA / セリンプロテアーゼ / IGF-binding protein5
研究概要

前立腺組織はホルモン依存的に増殖する事が知られている。マウス睾丸切除により男性ホルモンを除去した後、蛍光色素を遺伝子導入したGFPマウスの骨髄細胞を、睾丸切除マウスに骨髄移植した。本マウスに男性ホルモンを投与すると、前立腺組織は約2週間後に正常前立腺組織と同様な大きさと形態像を呈する事が示された。この骨髄移植マウスモデルを用いて、骨髄由来細胞がどの様に前立腺の男性ホルモンに依存して前立腺の成長促進にどの様に関わるかを検討した。男性ホルモンの投与により骨髄由来細胞は前立腺組織に有意に多数浸潤した。また、骨髄由来細胞の形質を検討したところ、男性ホルモン投与により前立腺に進入する細胞は、マクロファージであり、浸潤マクロファージ数は前立腺上皮の増殖性と有意に相関していた。また、新生血管数を測定したところ、新生血管数は単位面積あたり浸潤マクロファージ数と相関している事が示された。クロドロネート・リボゾーム投与により、この骨髄由来マクロファージは骨髄から前立腺組織内に移動する時には貧食能を有さない事を確認した。マクロファージの浸潤を誘導する分子を定量PCR法により検討したところ、MCP-1の発現がマクロファージ浸潤数と最も強い相関することが明らかになった。以上の結果は前立腺組織内において骨髄由来マクロファージは活性化され、ホルモン依存性に前立腺組織の再生に重要な役割を果たしている事を示している。前立腺がん組織におけるマクロファージ浸潤を検討したところ、前立腺がんのステージと相関しており、マクロファージ浸潤がホルモン依存性前立腺がんの増殖や進展に関わっている可能性が示された。今後、ホルモン依存性前立腺がん細胞と活性化マクロファージを用いて、ホルモン依存性前立腺がん増殖への作用機序を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Prostate-Specific Antigen Contributes to the Osteoblastic Phenotype via Apoptosis of Osteoclast Precursors : Potential Role in Osteoblastic Bone Metastases of Prostate Cancer.2006

    • 著者名/発表者名
      Goya, M., Ochiai, A.et al.
    • 雑誌名

      The prostate 66

      ページ: 1573-84

  • [雑誌論文] Inhibition of Bone^Derived Insulin-like growth factors by a lignad specific antibody suppresses the growth of human multiple myeloma in the human adult bone explanted in NOD/SCID mouse.2006

    • 著者名/発表者名
      Araki, K., Ochiai, A.et al.
    • 雑誌名

      Int J Caner 118

      ページ: 2602-8

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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