1.野生型(WT)および転写因子Interferon regulatory factor-4遺伝子欠損マウス(IRF4KO)にL.majorを感染させると、感染2-5週の早期では抵抗性マウスであるB6マウスよりも足趾の肥厚は減弱しており、感染早期の局所の防御免疫がIRF4KOでは亢進していることが示唆された。 2.in vitroでWTならびにIRE4KOマクロファージにL.majorを感染させた後、炎症性サイトカインのmRNAの発現をリアルタイムPCRで測定した。蛋白レベルと同様、IRF4KOマクロファージにおいては、TNF-aの発現亢進とIL12の発現低下が確認された。このことからIRF4KOにおけるL.major感染による炎症性サイトカイン産生の変化は、転写レベルでの制御であることが明らかとなった。生きたL.major感染時だけでなく、粗抗原においてもIRF4KOマクロファージにおけるサイトカイン産生の変化は同様であった。そこで、種々の変性粗抗原を作成し、L.major抗原の同定を試みた。その結果、不溶性画分に含まれ、ProteinaseK抵抗性であることが判明した。 3.分子量の違いから粗抗原の分画を進めるべく、ゲル濾過法を試みた。分子量が現段階では不明なため幅広い分子量をカバーすることを目的に、SephadexG-100を用いて分離を開始した。
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