研究課題
基盤研究(C)
●平成18年度前期実施研究1)ニホンザルによる脳MRI撮像条件の検討:カニクイザルを用いた脳MRIの撮像条件をもとに、ニホンザルにおける脳MRIの撮像条件について検討し、本研究で用いる適正撮像条件を設定した。2)BSL2実験用密封型コンテナを用いたサル・脳MRI撮像条件の検討:本研究ではMRI撮像中もBSL2の維持が不可欠であることから、BSL2実験用密封型コンテナを開発し、コンテナ内にニホンザルを固定した状態で脳MRI撮像を実施するシステムを確立した。●平成18年度後期〜平成19年度実施研究1)サルマラリア感染個体による脳MRI解析:ニホンザル3頭にサルマラリア原虫(Plasmodium coatneyl)を静脈内接種し、感染経過にともなう脳MRI解析を行なった。その結果、軽度〜重度発症期のいずれの病態においても出血や梗塞、浮腫等の器質変化を疑うMRI所見は認められなかった。2)病理組織学的観察:各感染個体の最終MRI撮像の直後に剖検し、脳の病理組織学的観察をおこなったところ、大脳および小脳血管内に多数の感染赤血球接着像(sequestration)が認められた。●結論:脳血管内におけるsequestrationの形成は脳マラリアの特徴的病理現象であり、この現象は本研の感染個体でも高頻度に認められた。しかしながら、感染経過にともなう脳MRI所見ではいずれの病態でも器質変化を疑う所見は認めらなかった。これらの結果から、脳マラリアにおける血管内sequestratin形成は単純に脳組織の器質変化を誘発する現象ではないことが明らかとなった。
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