研究課題/領域番号 |
18590412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
河津 信一郎 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60312295)
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研究分担者 |
狩野 繁之 国立国際医療センター(研究所), 適正技術開発・移転研究部, 部長 (60233912)
鳥居 本美 国立大学法人愛媛大学, 医学部, 教授 (20164072)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 感染症 / マラリア / ミトコンドリア / レドックス / 遺伝子改変原虫 |
研究概要 |
ミトコンドリアに局在する2-Cys型Prx(TPx-2)の遺伝子をノックアウトした熱帯熱マラリア原虫株(Plasmodium falciparum)を作製した。PfTPx-2遺伝子ノックアウト原虫は、通常培養条件下で、親株(FCR-3株)と同様に増殖した。酸化ストレス負荷時の増殖を調べるためt-BOOHを培養液に添加した試験でも、ノックアウト原虫は同過酸化物に対して親株と同等の感受性を示した。ミトコンドリアの電子伝達系を標的とする抗マラリア薬、アトバコンに対するIC50値をノックアウト原虫と親株の間で比較したところ、両者に差を認めることはできなかった。マラリア原虫のミトコンドリアにおいて機能することが知られているNADH再酸化系末端酸化酵素(AOX)の阻害剤に対する感受性をノックアウト原虫と親株の間で比較したところ、やはり両者に差を認めることができなかった。PfTPx-2遺伝子ノックアウト原虫については、他の酸化ストレス負荷時の増殖阻害、他の抗マラリア薬に対する感受性の比較をおこなうとともに、Prxに最近見出された新たな機能(シャペロン機能や細胞内情報伝達に関連した機能など)に対する表現型についても検討をおこなう予定でいる。次に、in vivo環境において、TPx-2の欠損が原虫生理に与える影響を観察する目的で、TPx-2遺伝子を欠損するローデントマラリア原虫(P.berghei, ANKA strain)の作製を試みた。遺伝子欠損用ベクター(ノックアウトコンストラクト)の作製は、置換型ベクターpMD204(マラリア研究標準試薬機構(MR4)より領布)を用いておこなった。表現型を確認する目的で、P. berghei TPx-2組換え体タンパク質に対する抗血清を作製した。現在PbTPx-2 KO原虫の作製をおこなっている。ノックアウト原虫が作製できたら、その赤血球内発育型での増殖等について観察する予定である。
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