研究課題
(1) 本研究の第一段階として既に成功している我々の感染技術を駆使し、昨年度までの4名に2名加え総計6名の患者由来のCandidatus Helicobacter heilmanniiをマウス感染モデルを用いて継代し、6株について、培養法の模索に必須である「新鮮な培養菌体」の安定供給を常に確保する状況を整えた。(太田浩良/羽山正義)(2)Candidatus Helicobacter heilmanniiは、分類学的には16S-rRNAとurease遺伝子の塩基配列をベースにした系統樹から整理されてきている。まず、遺伝学的手法により、ATCC株がtype1に分類されることを作年度までに明らかにすることが出来たが、昨年度までの4株の総てがtype1であることが確認された。type1は、最新の論文では、Candidatus Helicobacter suisに分類されることが報告されており、type2に対して新たにCandidatu Helicobacter heilmanniiが再提案されている。今年度新たに追加した2株中1株がtype2に分類されることが明らかになった。このtype2の株こそが、再提案されたCandidatus Helicobacter heilmanniiそのものである。(川上由行/小穴こず枝)(3)Candidatus Helicobacter heilmanniiと近縁と考えられているHelicobacter felisを用い、最適な培養環境について、今年度までに我々は以下の事項について明らかにすることが出来た。具体的には、(1)Candidatus Helicobacter heilmanniiの、CO_2・O_2濃度・湿度・温度・培養期間等の至適培養環境について、培養菌体の形態学的所見とも照合しながら評価し、実験系によって異なる最適培養条件を示すことが出来た。(川上由行/小穴こず枝)(2)Candidatus Helicobacter heilmanniiの培養成功に向けて各種培地を自製し、発育の有無に関する模索を継続して実施している。(川上由行/小穴こず枝)
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
G.I. Research 15
ページ: 162-164
Int. J. Med. Sci. 4
ページ: 203-208