C. albicansのすべての染色体(2番染色体を除く)には、RPSと呼ばれる繰り返し配列が存在し、これは172bpの内部反復配列(ALT)により構成されている。C. albicQTisをRPS内のALTの反復回数に基づいて分類(P-IIによるPCR)すると、2、3、4、2/3、3/4、2/3/4型に区別することができた。また、同じタイブの株間で、p-IIで増幅されたPCR産物の電気振動パターンが異なる株が多数存在することから、P41で増幅されたPCR産物をクローニングし、ALTの塩基配列を比較した。結果、ALTは少なくとも4つの型に分類されることがわかった。ALT特異プライマー(AS-I)を準備し、これまでのP4Hこよるダイビングに加えたところ、P41では区別が曖昧であったC. albicansの株の識別がいくつかの例でできるようになり、より詳細な株間の識別が可能となった。さらに、AS4によるPCR増幅パターンはC。albicansに特徴的であり、近縁種であるC.stellatoideaおよびC. diibliniensisとは明らかに区別することができた。これはAS4がC. albicansのダイビングに加え、特異的同定に有効であることを示している。現在、RPSとは異なる複数の繰り返し領域(マイクロサテライト中の34塩基リピート)を蛍光色素で標識したプラーマーを用いて増幅し、各alleleに由来するPCR産物のサイズの組み合わせの違いによるタイピングについての有効性について検討している。これらの複数の反復配列領域にみられる多様性に基づいたC. albicansの株識別系を用いて、同一人物の感染部位および非感染部位(常在部位)から同時に分離した株、および連続的に分離したC. albicansの遺伝子型の比較解析が進行中である。
|