研究課題
基盤研究(C)
イプシロン毒素遺伝子のBent DNAはプロモーターから下流にかけて存在し、さらに構造遺伝子内にも第2の弱いBent DNAを含む領域があり、上流とともに発現制御に関与することが明らかとなった。この領域をPCRにより増幅してプラスミドに組み込み、大腸菌からプラスミドを回収したところ、下流のBent DNAの中の8つのadenineからなるA-tractの最後のadenineが欠失していた。この特殊なBent構造は、プラスミドを不安定にすると考えられた。ウエルシュ菌のLrpCとHis-tag付きのLrpCの遺伝子を、発現ベクターpFFに組み込み、ウエルシュ菌のstrain 13,SM101株を形質転換した。形質転換株での産生量は、ともにわずかであり、この系による精製は困難であった。精製を困難にする理由の一つは、精製の際にプロテアーゼの混入により分解が起きることである。活性の強いチオール・プロテアーゼの欠失変異株を構築したので、この菌を用いて精製を試みている。野生株と形質転換株の性状を比較検討したところ、枯草菌と同様に、LrpCの芽胞形成への関与が示され、その機能を確認した。イプシロン毒素遺伝子のBent DNAを含むDNA断片をPCRで増幅して、LrpCとの結合性を検討した。強制発現した形質転換株と野生株の菌体破砕物(細胞質画分)を用いて、gel retardationを行ったところ、特異的な反応を証明する結果は得られなかった。His-tagを持つLrpCも機能性を有することが示唆されるたので、大量培養の菌体からNi-Chelating Sepharoseを用いて精製することを進めている。一方、枯草菌と同様に、大腸菌系での発現が可能であると考えられるので、その精製を進めている。その一方で、菌体の破砕物を用いた実験を行うために、LrpCのノックアウト株を構築した。現在その変異株と野生株からの菌体破砕物を用いてgel retardation assayを行っている。
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乳酸菌研究会に関する報告書 18年度版
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