研究課題/領域番号 |
18590431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松崎 吾朗 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (30229455)
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研究分担者 |
新川 武 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50305190)
梅村 正幸 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助手 (90359985)
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キーワード | 結核 / 免疫 / CD8+T細胞 / 抗原ペプチド / 細菌感染防御 |
研究概要 |
本研究は、結核菌感染防御CD8+T細胞の肺における誘導・活性化機構を解明することを目的とする。そのため、平成18年度は、CD8+T細胞が認識する抗原ペピトープの同定を行い、その結果に基づいて結核菌抗原特異的CD8+T細胞の同定に用いるMHC-抗源ペプチド多量体の作成を試みた。第一の抗原候補として、主要な結核菌抗原の一つと考えられるAg85Bのエピトープ候補を米国NIHのBIMASおよびドイツ国Tubingen大学のSYFPEITHIプログラムを用いて選択した。C57BL/6マウスの発現するMHC class Iに対して強い結合を示すペプチドが認められたため、そのうち結合力が強い順に9個の9-merペプチドを合成し、それらを不完全フロインドアジュバントと混じてC57BL/6を免疫し反応を検討した。残念ながら、この9つのペプチドに対して反応は認められず、Ag85Bは結核抗原特異的CD8+T細胞が認識する抗原としては不適切と判断した。そこで、新たな結核菌抗原として、Mtb32cおよびPstS-3を選び、改めてそのペプチドをマウスに免疫して反応を検討した。その結果、Mtb32c、PstS-3ともにCD8+T細胞の反応を誘導したが、Mtb32cがより強い反応を誘導した。そこで、Mtb32cを本研究で用いるCD8+T細胞検出用抗原ペプチドと決定した。これを用いたMHC-抗原ペプチド多量体として、これまで使われてきた4量体よりも結合力が強い5量体を作成した。これによる結核菌抗原特異的CD8+T細胞の経時的な定量が現在進行中である。また、本研究で用いるCD11c陽性樹状細胞欠損マウスについては、その作成に使用するCD11c/DTRトランスジェニックマウスを導入し、CD11c陽性細胞を欠損させる条件の検討を終えた。今後は、上記のMHC-抗原複合体5量体を用いた結果に基づいて解析に入る予定である。
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