研究課題
基盤研究(C)
われわれはDNAワクチンの免疫原性に、プラスミドの2本鎖DNA構造が2本鎖RNAと類似した機序で細胞を活性化することが重要であることをあきらかにした。本研究課題では、2本鎖DNAが活性化する細胞内シグナル経路の解明、特に2本鎖DNA認識分子を同定することを主な目的とする。さらに、この分子の機能について分子生物学的、生化学的に解析し、シグナル経路における分子群の相互作用をあきらかとし、最終的にDNAワクチンの免疫原性にこの分子やシグナル経路がどのように関与するか解析し、このメカニズムを調節することで、遺伝子ワクチンや遺伝子治療の効果を制御させる方策を検討し将来の医療に応用することを目的としている。IPS-1/MAVSは2本鎖DNAによる細胞活性化経路の中心的役割を担っており、2本鎖DNA認識分子とも相互作用していることが強く予想される。そこで、この分子をベイトとしてヒト遺伝子ライブラリーをスクリーニングした後、クローニングを行った。数種類の分子が同定され、現在それらの機能について解析している。また、ヒト遺伝子発現ライブラリーをHEK293細胞にトランスフェクションし、2本鎖DNA刺激後のIFN-βプロモーター活性化を指標にスクリーニングし、遺伝子のクローニングを行った。その結果、コアヒストンの一部が2本鎖DNAを介するシグナル活性化に係わる分子として同定された。その役割についても現在解析を行っている。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
Endocrinology (in press)
Int. J. Mol. Med. 19
ページ: 309-315
Virology 35
ページ: 48-57
Vaccine 24
ページ: 6240-6249
Int. J. Mol. Med. 18
ページ: 289-297
J. Virol 80
ページ: 6218-6224