これまで報告した新生児毒素性ショック症候群(TSS)様発疹症(NTED)のほとんどの患児は治療を必要とせずに回復する。今回、大人のTSSと類似して、TSST-1応答性T細胞、Vβ2陽性T細胞の増幅が強く、その期間が長い経過を示して重症な患児を経験し、報告した。新生児でもT細胞のTSST-1応答性が強いと重症になることが示唆された(Miki et al.)。 ウシから分離されるレンサ球菌Streptococcus dysgalactiaeから新しいスーパー抗原を見出した。ヒトに対してよりウシに対して強いスーパー抗原活性を示し、ウシの疾患に関わるものと考えられた(Zhao et al.)。 ヘルパーT細胞に産生するサイトカインの種類が異なるTh1細胞とTh2細胞が知られ、そのバランスが種々の疾患に関わることが報告されている。このTh細胞の分化がナイーブCD4^+細胞のIL-2により誘導されるIL-4産生によって影響を受けること、またこのことはSTAT5の活性化が関わり、遺伝的な制御を受けていることを明らかにした(Yagi et al.)。 マウスモデルを用いて同一のスーパー抗原に応答するT細胞の中でもVβが異なるとその反応の強弱は異なる。この機序を明らかにする為、変異体スーパー抗原を作成してT細胞レセプター(TCR)と結合が予想されているどの部位がT細胞の反応を決めているかと検討している。ある特定の部位のアミノ酸を置き換えると応答性T細胞の反応が著しく変化することを見出した。反応の違いはスーパー抗原、TCRとMHCクラスII、3分子間の親和力で決まるものと考えられる。可溶性のTCRとMHCクラスII分子を調整して3分子間の親和力を測定し始めている。
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