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2006 年度 実績報告書

腸管外病原性大腸菌の新規予防戦略の構築を目指した病原解析モデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 18590442
研究種目

基盤研究(C)

研究機関国立感染症研究所

研究代表者

大西 真  国立感染症研究所, 室長 (10233214)

研究分担者 中山 周一  国立感染症研究所, 主任研究官 (80280767)
志牟田 健  国立感染症研究所, 研究員 (40370960)
山本 新吾  兵庫医科大学, 泌尿器科学, 助教授 (80322741)
キーワード大腸菌 / 尿路感染症
研究概要

大腸菌は菌種内の多様性に富み、腸管常在性非病原性大腸菌に加え、下痢原性大腸菌と腸管外病原性大腸菌(ExPEC)に大別される病原性菌株が存在する。ExPECの病原因子(群)が完全には特定できない。腸管常在菌のなかの一部が膣あるいは尿路系に侵入すると考えられるが、膀胱への定着能に加えて、尿路感染症大腸菌はそれ以前のステップに関わる因子が病原性に重要であるのではないかと推測し、2つの作業仮説を立てた。つまり、尿路病原性大腸菌と非病原性大腸菌との間に、「腸管内での競争的排除が存在し、尿路病原性大腸菌の構成比率が高まったときに尿路侵入のリスクが高まる」、あるいは「会陰部への定着能に差があることにより、尿路感染症のリスクが高まる」という可能性が存在する。
本課題ではいまだ明確に説明できていないExPECの生物学的な特徴を捉えるため、分子系統解析を行い、さらに新しい動物モデルを確立することを通して上記2つの作業仮説を検証することを目的とした。
平成18年度においては、
1)菌株の収集:地理的に異なる3カ所から膀胱炎由来大腸菌株計107株を収集した。
2)系統解析:分子系統解析法を確立し、上記の大腸菌の関係を把握し膀胱炎関連大腸菌であっても非常に多様であることを示した。更に、保有する病原因子の組み合わせも多様であった。
3)培養細胞における接着能の菌株間の比較:各種系統に由来する大腸菌において、明らかな接着能の差は存在しない可能性が示された。
4)尿中での増殖能:ヒト尿中においてほぼ全ての大腸菌が増殖することが明らかになり、尿中増殖能の違いが病原性に直接的に関与する可能性が低いことが示された。
5)競争排除系の確立のため、使用可能な耐性マーカーの選択。ABPC,GM,KM,NFLXの感受性試験を行い競争排除実験が可能であることを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Molecular epidemiology of uropathogenic Escherichia coli.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto S
    • 雑誌名

      J Infect Chemother 13(2)

      ページ: 68-73

  • [雑誌論文] Escherichia coli isolates associated with uncoplicated and complicated cystitis and asymptomatic bacteriuria possess similar phylogenies, virulence genes, and O-serogroup profiles.2006

    • 著者名/発表者名
      Takahashi A, Kanamaru S, Kurazono H, Kunishima Y, Tsukamoto T, Ogawa O, Yamamoto S.
    • 雑誌名

      J Clin Microbiol. 44(12)

      ページ: 4589-4592

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2012-10-02  

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