研究概要 |
1.構築したミニゲノムの系を使ってhPIV2 V蛋白はPIV5(以前はSV5と呼ばれていた)V蛋白と同様にウイルスRNAの合成を抑制する事を明らかにする事ができた。 2、hPIV2のミニゲノムはhomogeneousなP,NP,Lの組み合わせであればhPIV2だけでなくPIV5のP,NP,Lでも転写、複製がおこった。しかしheterogeneousな組み合わせでは機能しなかった。 3.hPIV2のミニゲノム転写、複製はhPIV2のP,NP,Lを使用した場合,最も近縁のウイルスであるSV41のV蛋白でも抑制する事ができたが,PIV5のV蛋白では抑制できなかった。逆にPIV5のP,NP,Lを使用した場合,PIV5のV蛋白では抑制できたが,hPIV2,SV41のV蛋白では抑制できなかった。したがって,V蛋白によるミニゲノム転写、複製の抑制はV蛋白とP,NP,L蛋白のいずれかの相互作用によるものと推測された。 4.V蛋白のウイルスRNAの合成を抑制するメカニズムについて検討した結果,V蛋白とNP蛋白の結合により抑制されるのではない事が明らかになった。またV蛋白とP蛋白は結合しない事も確認した。 5.V蛋白によるウイルスRNA合成の抑制はV蛋白とL蛋白の結合と一致する事から,L蛋白との結合が関与している事を明らかにした。 6.V蛋白と結合する細胞側の因子を網羅的に検索する目的で行ったYeast two-hybrid法により様々な因子が浮かび上がってきた。今後,これらの因子についてのさらなる検討を行いたい。
|