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2008 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルス複製効率の高い培養細胞の樹立と遺伝子型1bの感染クローンの作製

研究課題

研究課題/領域番号 18590454
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

杉山 和夫  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10242520)

キーワードC型肝炎ウイルス / レプリコン / 複製 / 欠損ウイルス
研究概要

本研究においてこれまでに、C型慢性肝炎再発患者の血清からRNAを抽出しlong RT-PCR法にてHCV非構造領域のcDNA(遺伝子型1b)を増幅し、そのサブゲノムレプリコンライブラリーから非常に複製効率の良い新たなサブゲノムレプリコン、pSGT5、を樹立することができた。本研究において新たに樹立されたレプリコンはこれまでに樹立されたものに加え、レプリコンの多様性を広げ薬剤スクリーニングやHCVの複製研究における選択肢を広げる意義がある。
一方、同じ患者血清から構造領域の欠損したHCV cDNAをクローニングすることができた。
その欠損HCV cDNAをpSGT5の上流(ネオマイシン耐性遺伝子とEMCV-IRES部分)に挿入した欠損HCV RNAを作製し培養肝癌細胞に導入した結果、HCVタンパクの発現が認められ、欠損型HCVが複製可能であることを示した。本年度はHCV再発患者血清に加え、他のHCV患者からも欠損型HCVを検出することができた。その陽性率は約22%であった。欠損ゲノムが認められた4症例から38種類の欠損HCVクローンをクローニングし遺伝子的な解析を行ったところ、HCV構造領域に広範囲な欠損が認められたが、5'非翻訳領域とコアタンパク領域は全てのクローンで保存されていた。また、全てのクローンがin-farmeでその翻訳可能性が示された。さらに、欠損型HCVを産生する培養細胞系を樹立することに成功し、欠損HCVのインビトロでの感染、複製能を明らかにした。
現在、インターフェロン治療法の選択や効果判定には5'非翻訳領域のPCRなどが用いられるが、この領域が欠損型でも保存されているとすれば、欠損型HCVと全長HCVを区別して増幅することは不可能である。したがって、症例によっては測定された血清中HCV量が必ずしも全長HCV量を反映していない可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic Analysis of Heptitis C Virus with Defective Genome and Its Infectivity in Vitro2009

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, K., et al
    • 雑誌名

      V. Virology 83(電子版)

    • 査読あり
  • [図書] Cancer Treatment Navigator (中川和彦編)2008

    • 著者名/発表者名
      杉山和夫
    • 総ページ数
      40-41
    • 出版者
      メディカルレビュー社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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