研究課題/領域番号 |
18590462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
村山 麻子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40415534)
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研究分担者 |
脇田 隆字 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 部長 (40280789)
伊達 朋子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40392360)
森川 賢一 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (60384377)
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キーワード | HCV / ウイルス / ウイルスゲノム複製 / adaptation / 変異 / 慢性肝炎 / 肝臓癌 |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症は持続感染化しで慢性肝炎から肝硬変、肝臓癌に至る疾患を引き起こす。HCVはプラス鎖RNAをゲノムとするウイルスであり、ウイルスゲノムの変異が多い。ウイルスゲノムの変異がウイルスの持続感染化に関与すると考えられているがその詳細は不明である。HCVの研究はウイルス培養系が存在せず、感染性ウイルスを用いた研究ができなかった。我々が分離したJFH-1株は培養細胞で感染および増殖複製が世界で初めて可能であることを報告した。本研究では、感染性C型肝炎ウイルスがどのような機構で培養細胞および生体にadaptationするかを解析する。この解析によりHCVのadaptationに重要なウイルス側因子を同定し、その機構を明らかにすることが目的である。まず、JFH-1株キメラ全長RNAをin vitroで合成し、Huh7細胞にエレクトロポレーション法により導入した。細胞は数回の継代を続けながら培養し、ウイルスを含んだ培養上清液を大量に得た。培養上清液は限外ろ過膜を用いて濃縮し、ウイルスストック液とした。このウイルスストック液をHuh7細胞に感染させ、継代培養し、細胞内のウイルスRNA量と細胞培養液に放出されるコア蛋白質の量の変化を観察した。JFH-1株のウイルス感染細胞の培養を継続するとウイルス粒子の分泌効率が向上する事が明らかとなった。これはウイルスの適合変異によると考えられたため、ウイルスゲノムの塩基配列を解析したが、ダイレクトシークエンス法では変異を同定できなかった。現在クローニングによる解析を行っている。また、JFE-1ウイルスおよびJ6/JFH1キメラウイルスを継代培養したところ、E2に共通の変異を検出した。この変異部位の意義を現在解析中である。
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