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2006 年度 実績報告書

自己免疫疾患における臓器特異性決定要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18590473
研究種目

基盤研究(C)

研究機関徳島大学

研究代表者

黒田 範行  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50359915)

研究分担者 松本 満  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (60221595)
キーワード自己免疫疾患 / AIRE / 胸腺上皮細胞 / 臓器特異性
研究概要

自己免疫疾患が何故、起こるのかという問題と並んで重要な研究課題は、自己免疫疾患の臓器特異性が、一体、どのような要因によって決定されるかを明らかにすることである。本研究では自己免疫疾患における臓器特異性の決定要因を解析する目的で、AIRE欠損NODマウスを樹立した。AIRE欠損NODマウスではNODマウスにおける本来の標的組織である膵ラ氏島の破壊を認めなくなり、かわって外分泌組織である膵腺房細胞の著明な破壊像を認めた。この病理学的な所見に一致して、AIRE欠損NODマウスは糖尿病の発症に対して抵抗性を獲得していた。AIREを欠損させたNODマウスにおける臓器特異性の変化は、AIREが単に自己免疫病態の発症を規定するのみならず、どの臓器を標的として免疫破壊を行うかという、いわゆる臓器特異性にも関与していることを明確に示した結果である。したがって、AIRE欠損にともなう臓器特異性の変化がどのような分子および細胞学的メカニズムによって起こるかを明らかにすることで、多彩な病状を示す自己免疫疾患の病態理解に貴重な情報が得られるものと思われる。
他方、AIRE欠損NODマウスの血中に存在する自己抗体の対応抗原の一つを同定したところ、膵臓腺房細胞に発現するpancreas-specific protein disulfide isomerase(PDIp)であることが判明した。AIRE依存的自己免疫病態の発症機構として、AIREが胸腺上皮細胞内で種々の末梢自己抗原(peripheral tissue-restricted antigen)の発現を転写レベルで制御している可能性が示唆されている。しかしながら、AIRE欠損NODマウス胸腺におけるPDIpの発現は低下しておらず、このことからAIRE依存的自己免疫病態の発症にはAIREによるPDIp転写制御以外のメカニズムの存在が想定された。今後は、AIRE発現細胞においてのみモデル自己を発現するマウス等を新たに樹立して、この問題にアプローチする必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Alteration of intra-pancreatic target-organ specificity by abrogation of Aire in NOD mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Niki, S., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation 116

      ページ: 1292-1301

  • [雑誌論文] Essential role of IκB kinase α in thymic organogenesis required for the establishment of self-tolerance.2006

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita, D., et al.
    • 雑誌名

      Jounal of Immunology 176

      ページ: 3995-4002

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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