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2007 年度 実績報告書

クロマチン・リモデラーBAFと転写因子Runx3によるT細胞分化の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 18590477
研究機関東海大学

研究代表者

佐藤 健人  東海大学, 医学部, 准教授 (50235363)

キーワードT細胞 / 細胞系列決定 / DNA複製 / Runx3
研究概要

CD4T細胞とCD8 T細胞は、胸腺内の共通の前駆細胞であるCD4/8両陽性細胞(DP細胞)に由来する。DP細胞が分化シグナルによって細胞の系列を決定する機構についてはこれまでにも多くの研究が行われてきたが今なお不明の点が多い。本研究では、転写因子Runx3がCD8 T細胞系列へのマスターレギュレーターとして働くという、これまでに得た知見を基盤とし、その分子機構の詳細を明らかにすることを最終目標としている。
昨年度までに、Runx3はクロマチン制御因子であるBAF複合体と協調してCD4/8遺伝子制御を行うことを明らかにしてきた。本年度はクロマチン制御の観点から、分化におけるDNA複製制御の重要性に着目するに至った。すなわち、in vivoにおいてCD8 T細胞へ分化する細胞にはDNA複製を行う割合が多いこと、in vitro培養系にてDNA複製を阻害するとCD4Tへの分化を促進し、CD8 Tへの分化が阻害されること、DNA複製を促進するとCD4 T分化が阻害を受けること、Runx3はDNA複製に促進的に働くことが明らかとなった。以上の知見は細胞系列決定に当たりDNA複製制御が密接に制御されていることを示唆する。DNA複製は一時的にせよ、クロマチン構造の大きな変動を余儀なくすることを考えると、細胞系列決定にリンクして複製が制御されることの重要性は容易に推察できる。その統合的制御にRunx3が関わることを見いだしたことは、今後の展開において重要な成果であったと考える。今後はRunx3がいかなる分子機序によって、分化とDNA複製制御の双方に関わるのか、詳細な解明を行うべきであろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Runx proteins are involved in regulation of CD122,Ly49 family and IF N-g expression during NK cell differentiation2008

    • 著者名/発表者名
      Ohno S, Sato T, et. al.
    • 雑誌名

      Internationl Immunology 20

      ページ: 71-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pleiotropic Roles of Runx Transcription Factors in the Differenhation and Function of T Lymphocytes2008

    • 著者名/発表者名
      Kohu K, Sato T, et. al.
    • 雑誌名

      Current Immunology Reviews 4(In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 胸腺における増殖制御と細胞系列の決定2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤 健人, 他
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] Runx3はDNA複製コントロールを介してCD4/8 T細胞への系列決定に関与する2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤 健人, 他
    • 学会等名
      第37回日本免疫学会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪
    • 年月日
      2007-11-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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