研究概要 |
本研究の目的は、PBLにおいて従来より行われている評価法を検証し、新たに導入した評価法と比較・検討することで、より有効性の高いPBL評価システムを構築することである。現行のMCQ、チュータによる観察記録を新たな評価法と比較・検討することにより、新たな評価法の妥当性、信頼性を検証する。本学では、新たなPBLの評価法として変形論述試験(Modified Essay Question, MEQ)、概念マッピングを実施しており、これらの評価法について検証し、有効なPBL評価システムを策定する。 本年度(〜平成19年3月31日)の研究実施計画 平成15、16、17年度の4年次PBL評価結果の集計・解析 1)PBLを受けた4年生の3年間の評価結果(観察記録、MCQ、MEQ)を集計し、現在解析中である。 2)観察記録の妥当性、信頼性を検証するための解析法(評価者間信頼性、内的整合性)を作成中である。 3)平成18年度の4年生を対象にPBL(消化器、血液、呼吸器、循環器、内分泌、腎、女性・生殖器、精神・神経、成長・発達)後にMCQ、MEQ、概念マッピングによる評価を実施し、現行のPBL中の評価表を利用したチュータの観察記録、及び年度末に実施された共用試験CBTとの相関をみた。ユニットごとの評価結果の比較では、MCQと概念マッピングがユニットごとに相関が高かった(平均相関係数:0.45、0.49)。各ユニットにおける評価法ごとの比較では、概念マッピングはMCQとMEQそれぞれに高い相関のあることがわかった(平均相関係数:0.29、0.23)。以上の結果から概念マッピングは知識量に加えて知識を応用して問題を解決する能力も評価している可能性がある。更にCBTのタイプR及びQ問題との成績の比較を行いその相関を検証する予定である。次年度、臨床実習の結果との相関も検討する。
|