研究課題/領域番号 |
18590487
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
赤林 朗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70221710)
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研究分担者 |
児玉 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80372366)
額賀 淑郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (80396697)
林 芳紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (90431767)
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キーワード | 公衆衛生倫理 / 健康増進 / 疫学研究 / 感染症 / 優生学 |
研究概要 |
1)文献調査として、Medlineなどの文献データベースを用いて体系的な検索を行い(文献約90件)、公衆衛生倫理学の主要な問題、主要な倫理的アプローチ、生命倫理学との関係、教育の現状などについて、英米の公衆衛生倫理学の動向を概観した。 2)次に、日本の公衆衛生分野に関する倫理教育のモデル・カリキュラム形成の基礎資料を成すべく、全国大学等の公衆衛生関連201講座における倫理教育の現状とニーズについて郵送式調査(自記式)を実施した(有効回収数=50.2%)。 現状において、公衆衛生関連領域の授業の中で倫理に関するテーマを扱っているのは61講座(60.4%)であり、平均30コマ(1コマ=90分)の全授業時間のうちの1コマ(3.3%)を倫理教育に充当していることが分かった。また、倫理に関する授業の必須化については、学部以降後期博士課程に至るまで、9割以上が必須化が望ましいと回答した。 扱うべきものとして要望の高かった上位5テーマは、(1)健康と基本的人権(67.3%)、(2)個人情報とその保護(59.4%)、(3)倫理指針と関連法(48.5%)、(4)公衆衛生政策と倫理(46.5%)、(5)研究倫理(45.5%)であった。このことから、公衆衛生の中でも特に研究倫理領域の教育に対するニーズが潜在的に高いことが分かった。 3)国際シンポジウムの開催:東京大学大学院医学系研究科にて、2007年12月20-21日に、国際シンポジウム「予防接種に関するグローバルな課題-法的課題と倫理的難問」を開催した(米国ペンシルバニア大学およびコロンビア大学との共催)。全5セッションが行われ、日米欧の大学、WHO、国立感染症研究所、ヴェトナムの保健省、インドの製薬会社など、感染症やワクチンに関連する多様な機関から人々が集まり、倫理的・法的問題について意見交換がなされた。
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