研究課題/領域番号 |
18590490
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関本 美穂 京都大学, 医学研究科, 講師 (00244583)
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研究分担者 |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30246045)
林田 賢史 京都大学, 医学研究科, 助教 (80363050)
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キーワード | 診療データベース / 診療パターン / 血液製剤 / 脳梗塞 / 診療ガイドライン |
研究概要 |
本研究の目的は、DPCデータやレセプトデータ等の診療情報・医事情報データを利用した薬剤処方適切性のモニタリングとその結果の診療改善への応用を行うことである。今年度の研究では、DPCデータを基にして血液製剤が使用された症例を同定するとともに、研究協力病院にて血液製剤の使用状況の調査と使用適切性の評価を実施した。また適切性の評価結果は、診療の改善を図り医療機関にフィードバックした。 DPCデータを利用して、2007年7月から10月の間に2つの医療機関で血液製剤が投与された症例(赤血球製剤573例・濃厚血小板167例・新鮮凍結血漿121例・アルブミン製剤244例)を同定した。これらの症例の診療録をレビューし、前年度開発したアルゴリズムを基にして、血液製剤の使用適切性を評価した。また臨床現場で血液製剤が使用される状況を検討し足した。二人以上の独立したレビュアーが診療録を閲覧し、血液製剤が使用された状況に関するデータを収集すると共に、アルゴリズムに従って適切性を判断した。 調査の結果、明らかな使用の適応があった症例の割合は赤血球製剤で70%、新鮮凍結血漿で15%、濃厚血小板で56%、アルブミン製剤で30%であった。血液製剤が使用される主な臨床状況は、赤血球製剤が急性出血・慢性貧血・周術期の輸血、新鮮凍結血漿が出血症状・心臓手術・出血に対する予防的投与、濃厚血小板が心臓手術・血液疾患・重症患者、アルブミン製剤が出血性ショック・心臓手術・肝硬変などであった。 またDPCデータを利用して、診断群分類を利用して血液製剤使用量の実測値と予測値の比(0/E値)を病院毎・診療科毎に計算した。診断群分類で調整した血液製剤の使用量には病院間で大きなバラツキが観察されたが、0/E値と不適切使用の頻度は必ずしも合致しなかった。 本研究はDPCデータやレセプトデータを活用して薬剤使用の適切性を評価しようとする比較的新しい試みである。
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