研究概要 |
本研究は、既に開発された薬剤疫学データウェアハウスの医薬品副作用シグナル検知システムを、医療用インターネット・データセンター(iDC)に設置した医用データ管理システムと連携させ、そこに蓄積された情報を用いて、「外部から提供された医薬品副作用情報および相互作用情報に対するエビデンスレベルの格付け」と、「データマイニング手法を用いた副作用シグナル検知システムによる薬剤監査支援」を実現する手法を確立する。平成19年度は、構築した薬剤疫学データウェアハウスシステムに、さらに新規に総合病院情報システムの処方データ,検査結果データ,症状所見データを抽出し登録した。さらに併用禁忌・相互作用データベースを含む薬剤添付文書情報の最新情報の追加登録を行い、併用薬に関する情報も登録した。構築された薬剤疫学データウェアハウスのデータに対して統計的手法を用い、検査結果項目単位で結果値の偏差等から、正常域からの開離(異常値)に対する重み付け係数を決定する手法の開発と評価を行った。薬歴の変動と、検査結果の変動の関連性をスコアとして算定する手法の開発と評価も行なった。さらに副作用と判断する為の重み付け係数や副作用関連スコアの算定手法に関する開発と評価も行った。また、実験用の医療版インターネット・データセンターとして立ち上げた医用データ管理システムサーバと薬剤疫学データウェアハウスシステムのインターフェースを開発し、その評価として実験的に登録された薬歴と関連する(副作用と判断されるべき)検査結果値を登録し、薬剤疫学データウェアハウスが算出するスコアについて検証している。また副作用シグナルとして有効なスコアの閾値等の調査・評価も継続して行っている。平成20年度は総合テストとさらなる判定ロジックの開発を行う。
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