研究概要 |
昨年度から継続して自己炎症性疾患患者に関する臨床研究を行っている。自己炎症性疾患の一つであるBlau症候群(BS)と診断され、信州大学医学部附属病院に治療のため入院した患者から分離した単核球を、短時間各種濃度のグラム陰性細菌の莢膜のリポ多糖(LPS)や細胞壁の構成成分であるムラミルジペプチド(MDP)などの細菌構成成分を加えて培養し、上清中のIL-1β, IL-6, IL-8, TNFα, IFNγ濃度を経時的に測定した。その結果、病態の理解に迫る新しい発見があった。健康なボランティアの2人から分離した単核球は、IL-1β, TNFαの分泌に異常はほとんどないが、BSの患者から分離した単核球はIL-1βの産生においてTLRシグナルとNLRシグナルの相乗効果の欠落が見られた。これらの知見は論文としてまとめられ、アメリカリウマチ学会の学会誌であるArthritis and Rheumatism誌に受理され、現在印刷中である。
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