研究課題
基盤研究(C)
血清アミロイドA蛋白(SAA)の代謝機構の解明のため、種々のSAA親和性物質との結合様式を表面プラズモン解析機種、ビアコアを用いて解析した。親和性物質としてまず、SAAが生体内でアポ蛋白として存在するHDLを用いた。rSAAのセンサーチップへの固定法、HDLの添加条件などの検討に1年を要した。2年目に、定められた条件で3種のSAA1アイソタイプとHDLの親和性を検討したところ、親和性の強さはSAA1.5>SAA1.1=SAA1.3という結果になった。SAA1.5保有者において血中SAA濃度が高くなるという観察が、HDL中で安定であるという今回の実験で裏付けられた(論文印刷中)。3年目は、SAAをチップ上に固相化した実験系で分析物にヒト末梢リンパ球、単球、単球様株化細胞であるTHP-1を使用して検討した。程度の差こそあれ、これら細胞間にSAAへの結合性の差異はなかった。用いたSAAについてはマウスリコンビナントintact SAAとヒト組織から抽出したAA蛋白はこれら細胞への結合性を示したが、ヒトリコンビナントintact SAAはどのアイソタイプでも有意な結合性を示さなかった。SAAのアミロイド線維化において細胞の関与が必須であることから、ヒトSAAが線維化するにはC末端の除去が必要であり、このことはヒト臨床材料のアミロイド組織中にintact SAAが存在せず、マウスアミロイド組織では存在するという事実を裏付けるものである。
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