研究課題/領域番号 |
18590540
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田中 朝雄 東海大学, 医学部, 助手 (50192175)
|
研究分担者 |
田中 真奈美 独立行政法人産業技術総合研究所, ブラディオンプロジェクト, 主任研究官 (80188341)
鬼島 宏 弘前大学, 医学部, 教授 (90204859)
山口 政光 京都工芸線維大学, 線維学部, 教授 (00182460)
|
キーワード | ブラディオン / 癌 / GTPase / 診断法 / 金コロイド / 表面プラズモン共鳴 / 高速原子間力顕微鏡 / 免疫電子顕微鏡法 |
研究概要 |
(1)ブラディオンの構造解析に基づく機能発現部位(酵素活性中心)の同定と機能発現の物性化学的解析 ブラディオン遺伝子のN末端、GTPase、C末端の3領域を発現・精製し、円二色性分光法、蛍光分光法、動的光散乱と小角度X線散乱により分析した。その結果、N末端は規則的な二次構造を含まず、本質的に構造化されていない可能性が認められた。中心のGTPase領域は、開いたβシートに基づくα/β混在構造を有し、触媒的活性を持ち、試験管内で安定したホモダイマーを作ることが判明した。C末端もホモダイマーを作り、2領域に分けられ、その2番目はαヘリックス構造を示した(論文)。 (2)ブラディオン分子検出・酵素活性測定系の樹立 (1)抗ブラディオンモノクローナル抗体(以下、特異抗体)を用いた金コロイド免疫測定法により、泌尿器科癌(前立腺、腎、膀胱)患者の血中ブラディオン量を測定した。診断のカットオフ値を得るため、受信者動作特性(ROC)曲線を引いた。その結果、カットオフ吸光度は3種とも0.17となり、感度が86%〜100%、擬陽性率が27%〜30%と良好な結果を示した。 (2)表面プラズモン共鳴装置を用い、特異抗体に対するブラディオンの結合値を測定した。その結果、非特異的反応は全く見られず、その結合はブラディオンタンパク質の量に比例し、定量化が可能と判明した。 (3)特異抗体3種を選び、プレート付着用抗体と抗原(ブラディオン)反応後の抗体の組合せを作り、サンドイッチ・エライサ法による測定系の確立を目指した。 (4)特異抗体による免疫電子顕微鏡法による癌細胞内ブラディオン局在部位を同定した。 (3)ブラディオン酵素の活性増強・阻害に働く物質群の探査 共同研究企業、オリンパスの高速原子間力顕微鏡を用い、水溶液中(自然状態)のブラディオンタンパク質分子を観察した。また、関連物質や特異抗体を混和、添加後の分子の変化を観察中である。
|