研究課題
基盤研究(C)
現在、数多くの腫瘍関連抗原が癌診断の補助的な指標や癌治療後のモニタリングの指標として利用されているが、それぞれの臨床的意義が改めて問い直されるとともに、新しい腫瘍関連抗原に期待が寄せられ、とくに治療の標的にもなりうる抗原の開拓が望まれている。本研究は、新しい腫瘍関連抗原Ep-CAMを標的にした治療に向けての意義を総合的に検討し、次のような点を明らかにした.まず、自ら作製したヒト型抗Ep-CAMモノクローナル抗体のクラスを決めるとともに親和恒数を決定した.次に、Ep-CAM抗原を標的とするヒト型抗Ep-CAMモノクローナル抗体の抗腫瘍効果の解析を行なった.Ep-CAM発現ヒト胃癌細胞株MKN-45を標的とし、ヒト抗Ep-CAMモノクローナル抗体とヒト補体やヒトNK-LAK細胞との組み合わせによる抗腫瘍効果を証明した.さらに、SCIDマウスにMKN-45細胞を移植し、ヒト抗Ep-CAMモノクローナル抗体単独、あるいはヒト抗Ep-CAMモノクローナル抗体とヒトLAK細胞を組み合わせて投与して判定した結果、著明な抗腫瘍効果が得られた、次いで、ヒト抗Ep-CAM scFvを含むIL-2融合タンパクを作製し、その性状を解析した。融合タンパク遺伝子の作製は、ヒト抗Ep-CAMscFv遺伝子とヒトのIL-2遺伝子とを酵母発現ベクター上にて分泌型で結合させ、酵母培養法で産生させた。MKN-45細胞を標的とし、精製した融合タンパクとヒトLAK細胞との抗腫瘍活性を解析した結果、有意義な抗腫瘍効果が見られた。そこで、精製した融合タンパクとヒトLAK細胞と組み合わせによる抗腫瘍活性について、MKN-45細胞を移植したSCIDマウスで解析した結果、有意義な腫瘍発育抑制効果が得られた
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http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/biochem1/MaK-bunken/kenkyugaiyo.html