研究課題/領域番号 |
18590546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
山岡 和子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (00124438)
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研究分担者 |
三島 一彦 埼玉医大, 脳神経外科, 助教授 (00282640)
山本 行男 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (80124501)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | グリオーマ / チロシンリン酸化たんぱく質 / 病態 / プロテオーム / 二次元電気泳動 |
研究概要 |
本研究は、グリオーマの分子病態、すなわち、発症・細胞の浸潤や進展など悪性化に関与する分子異常を、プロテオミクスの手法(Differential proteomic display: 二次元電気泳動法,スポット検出、泳動結果の解析、質量分析等による分子同定)により解析して、病態発現のメカニズムを解明し、それに基づきグリオーマの悪性の進行度や予後の予測、薬剤による治療効果などをモニタリング可能な、臨床病態マーカーの探索を目的する。臨床および病理学的に診断された様々なグレードのグリオーマ組織を用いて、グリオーマの増殖、病態に深く関与するチロシンリン酸化蛋白質を同定することでグリオーマの分子異常の病態マーカーの探索を試みた。同一患者から得られた、悪性度の異なるグリオーマ組織で、チロシンリン酸化たんぱく質の発現の差異を検討した結果、約40種類のチロシンリン酸化たんぱく質がグリオーマの悪性度に比例して増加することを検出した。さらに、これらのチロシンリン酸化たんぱく質が他の悪性度の異なるグリオーマの組織標本でもグリオーマの悪性の病態と関連して発現されていることを確認した。これらの分子を質量分析計等により同定を試みた結果、いくつかは分子の同定に成功した。それらのいくつかはすでに腫瘍関連分子として非リン酸化の分子が報告されている。注目すべき分子に関して、悪性度との関連について抗体等を用いて検討中であり、さらにリン酸化部位の決定やそれに基づくリン酸化部位特異的抗体の作成を進めている。脳腫瘍の早期診断や治療薬の標的となりうるタンパク分子の解明に役立てたい。
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