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2006 年度 実績報告書

アポトーシスを中心指標とした環境ホルモンの生体影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18590548
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

細川 敏幸  北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)

研究分担者 齋藤 健  北海道大学, 医学部保健学科, 教授 (40153811)
蔵崎 正明  北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助手 (80161727)
キーワード環境ホルモン / ストレス / 長期増強 / アポトーシス / 培養細胞
研究概要

本研究の目的は,これまでに開発した手法を用いて,ストレスホルモンあるいは内分泌撹乱物質の神経組織,生殖組織および細胞内情報伝達への影響を調べることである。
本研究では,まず,微量のコルチゾールの存在下で,培養細胞に誘導したアポトーシスにどのような影響を与えるか検討するとともに,いくつかのアポトーシス関連因子の動態についても検討した。対象としては腎細胞由来のPC12細胞ならびにチャイニーズハムスター卵巣由来のCHO細胞を用い,アポトーシスの誘導は培養液中の栄養因子であるFetal Bovine Serumの除去あるいは6-hydroxydopaminの添加により行った。アポトーシスによるDNA損傷はTUNEL法、アポトーシス関連因子BaxおよびBcl-2の発現量はRT-PCR法により求めた。
CHO細胞の場合,アポトーシスの定量的測定では,対照群に比較して10μM添加群が有意に低い値を示した(p<0.05)。アポトーシス因子(BAX, Bcl-2)の測定では,Baxの2時間後のみ対照群に比較して増大の傾向が認められた。(P<0.1)
細胞内の信号伝達におけるコルチゾールの作用をみるためにアポトーシス関連因子である,Bax, Bcl-2について検討したが,Baxが促進するよう働いていることが示唆された。以上のことから,微量のコルチゾールはアポトーシスを抑制するものの,それが作用している系を同定することはできなかった。この結果から,微量コルチゾールによるアポトーシス抑制はアポトーシス関連因子の直接的な作用でなく、別の系の影響である可能性が示唆された。
PC12細胞の場合は,100nMおよび10uMのコルチゾールは細胞に誘導したアポトーシスを抑制する事が認められた。また,その関連因子であるBaxやBcl-2も変動する傾向が示された。これらの関連因子はBcl-2遺伝子によるミトコンドリア内アポトーシス関連機能に含まれるものであり,微量なコルチゾールがこの遺伝子系に影響を与えることが考えられた。
また,環境ホルモンの一種と考えられているノニルフェノールのPC12細胞に対する影響も検討しているところである。これまでの我々の研究から,ノニルフェノールはアポトーシス機構を増強することが確認されている。このメカニズムを推定するために,アポトーシス誘導のシグナル分子の一つであるFasLの発現量,この経路上のアポトーシス関連酵素カスパーゼ8,ならびに別経路の重要な物質チトクロームCの発現量も測定した。また,細胞中のカスパーゼも測定した。現在データを分析中であるが,カスパーゼ8の寄与が大きいことが示唆されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Comparison of general water qualities in the rivers between Indonesia and Japan2007

    • 著者名/発表者名
      Machiko Kido, et al.
    • 雑誌名

      Ann. Rep. Environ. Conserv. and Land Use Manag. of Wetland Ecosys. in SE Asia 10 (in press)

  • [雑誌論文] Protective effect of lignophenol derivative from beech (Fagus crenata Blume) on copper- and zinc-mediated cell death in PC12 cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Shin Sato, et al.
    • 雑誌名

      Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology 99

      ページ: 353-357

  • [雑誌論文] Up-regulation of cytosolic phospholipase A(2)alpha expression by N, N-diethyldithiocarbamate in PC12 cells; involvement of reactive oxygen species and nitric oxide.2006

    • 著者名/発表者名
      Akiyama, N., et al.
    • 雑誌名

      Toxicology and Applied Pharmacology 215

      ページ: 218-227

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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