研究課題
基盤研究(C)
本研究はカドミウム(Cd)と環境化学物質の複合影響をヒト個体、動物、細胞、遺伝子レベルで明らかにすることを目的とする。本研究では疫学調査とともに、動物実験や、細胞生物学・分子生物学的手法を用いて、Cdを含む環境化学物質の複合影響を包括的に解析し、評価することを目的としている。これまで、Cdによる腎臓の尿細管障害が骨軟化症などの骨障害にいかに結びつくかについては十分明らかにされていない。そこで平成18年度は、疫学的な調査研究を行い、Cdによる腎臓障害と骨障害との関連についての検討を行った。その結果、Cd汚染地域の住民では、尿中にvitamin-D binding proteinが排出されvitamin Dの代謝に異常が生じ、それが骨障害に通じる可能性を疫学的に明らかにした。またCdと環境化学物質の複合影響を評価するためのin house cDNAマイクロアレイの構築を行った。cDNAマイクロアレイはスライドガラスに目的とするcDNAを貼りつけたものであり、多数の遺伝子の発現変動を同時に解析できることから、今日様々な用途に用いられている。われわれは目的特化型で、安価でかつ後の解析が容易なアレイの作成をめざしている。そこでアレイに搭載する遺伝子として、アポトーシス関連遺伝子と生体異物の代謝に関与する核内受容体の応答遺伝子の収集を行い、in house cDNAマイクロアレイの構築を行った。
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