研究課題/領域番号 |
18590550
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (20345630)
|
研究分担者 |
荻野 景規 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70204104)
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (70231545)
日比野 由利 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (40362008)
中村 裕之 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (30231476)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | ジブロモチロシン / アレルギー疾患 / 好酸球活性化バイオマーカー / 酸化ストレス |
研究概要 |
ELISAを用いた検討では、ウサギにプロモ化KLHを免疫して得た抗血清が、プロモ化BSA、クロロ化BSA、ジブロモチロシン付加BSA、ジヨードチロシン付加BSAを認識し、プロモチロシン付加BSAやクロロチロシン付加BSAを認識しないことが分かった。競合的ELISAによる検討では、ジブロモチロシンとジヨードチロシンによる本抗血清のプロモ化BSA認識に対する阻害が認められた。これらの結果から、本抗血清が蛋白中ジハロゲン化チロシンを認識することが分かった。一方、免疫組織化学では、本抗血清はブロモ化反応を行ったラット好酸球を染色したが、クロロ化反応を行ったラット好酸球を染色しなかった。免疫組織化学では、本抗血清が好酸球活性化マーカーと考えられるジブロモチロシンを特異的に認識することが示唆された。 ELISA法では、本抗血清は蛋白中ジハロゲン化チロシンを認識するので、好酸球活性化マーカーに特異的な抗血清として使用できない。しかし、喘息などのアレルギー疾患では炎症が起こるため、ジブロモチロシンもジクロロチロシンも産生されると考えられる。したがって、本抗血清が認識する蛋白中ジハロゲン化チロシンを指標として、喘息の重症度を診断できるかもしれない。ヒト血漿存在下で、本抗血清がブロモ化BSAを認識することが分かった。次に、ヒト血漿存在下で本抗血清とブロモ化BSAを2時間インキュベートした。その後、抗血清をブロモ化BSAとインキュベートすると、ブロモ化BSA濃度依存的な抗血清の抗原認識に対する阻害が認められた。本抗血清がヒト血漿蛋白中ジハロゲン化チロシンの測定に使用できることが示された。 本抗血清を用いた競合的ELISAによる新しい喘息重症度診断の開発が期待される。また、マウス喘息モデルの免疫組織化学で、本抗血清が酸化ストレスから見た喘息発症機構の解明に役立つと考えられる。
|