研究課題/領域番号 |
18590555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸田 雅裕 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90362714)
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研究分担者 |
森本 兼曩 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20143414)
中山 邦夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346197)
呂 玉泉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90362722)
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キーワード | 唾液 / ストレス / ライフスタイル / コルチゾール / クロモグラニンA |
研究概要 |
唾液中クロモグラニンAは、交感神経-副腎髄質(SAM)系の活性を反映する新しいストレスマーカーとして注目されているが、その特性については未だ不明な点が多い。今年度はまず唾液中クロモグラニンAの目内周期変動を明らかにすることを目的とした。具体的には、寮に住む学生を対象に血液及び唾液サンプルを継続的に採取し、酵素免疫(ELISA)法にてクロモグラニンAレベルを測定した。その結果、唾液中クロモグラニンAレベルは、起床時においてピークを示し、その後は一定の低いレベルを維持することが明らかとなった。さらに、この日内周期変動は血漿中クロモグラニンAのそれとは異なっており、両者が異なる分泌機構を有することが示唆された。 次に応用編として、唾液中クロモグラニンAを指標とし、「笑い」によるストレス軽減効果の検証を行った。具体的には、学生を対象に「笑い」及び「風景」ビデオの鑑賞前後に唾液サンプルを採取し、ELISA法にてクロモグラニンAレベルを測定した。その結果、「笑い」ビデオを鑑賞した場合にのみ唾液中クロモグラニンAレベルの有意な上昇が認められ、また同時に行った質問票による調査では「笑い」ビデオを鑑賞した場合にのみ主観的ストレスレベルの有意な低下が認められた。以上の所見は、Di-stress(悪いストレス)のみならず、高揚感や満足感といったEu-stress(良いストレス)の指標としての唾液中クロモグラニンAの可能性を示唆するものである。
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