研究課題/領域番号 |
18590557
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
塩飽 邦憲 島根大学, 医学部, 教授 (10108384)
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研究分担者 |
嘉数 直樹 島根大学, 医学部, 准教授 (20264757)
山崎 雅之 島根大学, 医学部, 助教 (60379683)
岩本 麻実子 島根大学, 医学部, 助教 (90432616)
乃木 章子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (90312305)
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キーワード | メタボリックシンドローム / 肥満 / 遺伝子多型 / 食生活 / 炭水化物 / 身体活動 / 糖尿病 |
研究概要 |
島根県出雲市の壮年を対象に、教育による3カ月間の介入研究を行った。参加者は3カ月間で体重を1.7kg(介入前値比3%)、ウエスト周囲径を2.4cm(3%)減少し、体脂肪率を0.5%(2%)増加させた。体重変化量とBMI変化量は男性0.99、女性0.98と極めてよく正相関し、体重変化量とウエスト周囲径変化量とは男性0.60、女性0.58であった。介入により体重やウエスト周囲径が減少していたのに、体脂肪率は有意に上昇していた。平均体重減少量4.4kgの群では、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、インスリン、HOMA-IRが有意に改善していた。体重減少には、摂取熱量減少の中で炭水化物摂取量差が最も貢献し、遺伝子多型ではβ3-adrenergic receptorが有意に寄与していたが、非共役蛋白などの他の遺伝子多型は関与しなかった。 島根県雲南市、寧夏回族自治区銀川市において、MSのベースライン調査を行った。以前に調査したモンゴル人と合わせて1,564人をInternational Diabetes Federation(IDF)の診断基準によって内臓肥満とMSを診断した。内臓肥満は日本人男10%、女12%で、中国人男39%、女24%、モンゴル人男51%、女54%であった。MSは日本人男7%、女7%で、中国人男24%、女9%、モンゴル人男22%、女24%であった。日本人は内臓肥満もMSも他の民族より少なく、中国人では他の民族と異なり顕著な性差が認められた。また、日本に多い糖尿病は、メタボリックシンドロームから糖尿病に進展した人よりも、遺伝的にインスリン追加分泌の低下した糖尿病であることと考えられた。
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