研究課題/領域番号 |
18590559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
有澤 孝吉 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30203384)
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研究分担者 |
日吉 峰麗 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (30363162)
六反 一仁 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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キーワード | カドミウム曝露集団(ヒト) / ストレスチップ / クラスター解析 / ビスフェノールA曝露マウス / プロテオーム解析 / タンパク質相対定量 |
研究概要 |
長崎県対馬のカドミウム曝露集団(ヒト)の末梢白血球から抽出したmRNAと、非曝露集団の抹消白血球から抽出したmRNAの発現変化を、徳島大学・大学院ヘルスバイオサイエンス研究部・ストレス制御医学分野にて独自に開発したストレスチップの使用により、ストレス応答に関わりのある1467の遺伝子を対象に解析した。クラスター解析の実施により、曝露集団、非曝露集団で明確に違いの見られた遺伝子群の検出に成功している。現在、これら発現量の違いをより正確な評価系であるreal time PCRを実施するための準備段階にあり、発現変化を証明した後、カドミウム曝露によるストレスと、病態との関連について明らかにしていく。 一方、内分泌撹乱化学物質の持つ生殖毒性による影響をタンパク質レベルで評価するために、オスマウスに対してビスフェノールA(BPA)の曝露を実施している。我々は既報告の中で、出生匹数が減少した報告に着目し、生殖能力の低下をきたしているとの見解から、同様の条件にて曝露を実施したものの、結果を再現することができなかった。そこで、曝露条件の再検討により生殖能力の低下を示す条件の決定を行っている。同時に、精巣から抽出したタンパク質の発現を大規模に、かつ曝露群と非曝露群の発現タンパク質の相対的な変化を定量的に評価するために、2次元電気泳動、質量分析、安定同位体を利用したプロテオーム解析の一連の流れについて検討を行っている。予備実験の段階であるが、BPA曝露マウスとコントロールマウスの精巣より抽出したタンパク質において発現に変化の生じているタンパク質の検出にも成功している。今後、生体影響の見られる、すなわち生殖能力の低下する曝露条件を明らかにし、機能に影響を及ぼすタンパク質の探索を引き続き実施していく。
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