研究課題/領域番号 |
18590561
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
市場 正良 佐賀大学, 医学部, 教授 (60184628)
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研究分担者 |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 助教 (10330979)
近藤 敏弘 佐賀大学, 総合分析実験センター, 教務員 (20186852)
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キーワード | DNA付加体 / アルコール / マウス / アセトアルデヒド |
研究概要 |
エタノール摂取は多環芳香族炭化水素類DNA付加体形成を促進するか動物実験で確認することを目的とした。 マウスに2%エタノールを8週間自由飲水させ、人の飲酒状態と仮定した。対照群マウスには水を自由飲水させた。8週後、両群にベンゾピレン(BaP)を腹腔に20または100mg/kg体重を投与し、5日後に肺、胃を取り出し、DNAを抽出した。^<32>Pポストラベル法(ヌクレアーゼP1法)でBaP-DNA付加体を測定した。使用したマウスは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)欠損マウスと野生型マウスである。ALDH2欠損マウスは、アセトアルデヒドの過剰な蓄積が起こる。DNA付加体形成にエタノールの影響があるとすれば、それはエタノール自体の影響か、あるいは代謝されたアセトアルデヒドの影響であるかを、このマウスを使うことにより評価することが出来る。 結果として、BaP100mg/kg投与実験では、飲酒群と対照群のBaP-DNA付加体濃度は、メス肺において飲酒群でBaP-DNA付加体の有意な増加が見られた。特にメス肺で、ALDH2欠損群で飲酒による有意な増加が見られた。また、メス胃で対照群、飲酒群とも欠損群で有意な増加が見られた。BaPの投与量を100mgから20mgに下げた実験も行った。ここでも、メス肺でBaP-DNA付加体濃度が飲酒群で高い傾向が見られた。ALDH2遺伝子型別では、欠損型の有意な影響は見られなかった。また、アセトアルデヒド自体によるDNA付加体を測定することもできた。 以上より、BaP-DNA付加体は飲酒群で高い傾向が見られた。特にメスのALDH2欠損で増加の傾向があった。アセトアルデヒドによるBaP付加体形成の促進作用が疑われる。性差があるは、ホルモン等の影響もあるかもしれない。
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