本研究の中国の共同研究者である武漢大学公衆衛生院・譚曉東教授とともに、調査地である中国嚢樊市第一人民医院を訪れ、研究協力者の医師(Yunwen Luo教授ら)とともに予備調査を開始した。予備調査に先立ち、国際基準のスクリーニングクライテリアとフィジカルクライテリアの確認を行い、調査員のトレーニング、血液や尿資料の分析方針を確認した。予備調査は、パーキンソン病患者と、脳神経疾患を伴わない性年齢を一致させた対照者の各20名で特発性のパーキンソン病のみをケースとして用いるため、ケースについては、CT検査に加え、より精度を高めるためMRI検査を追加して除外診断を行うことにした。予備調査は、対象者の選別方法の確認や調査員の評価、生体試料の測定方法の検討、追加調査項目の必要性などを吟味することを目標に行った。 対象者の選別は、順調に進められ、嚢樊市第一人民医院の神経内科の医師による確定診断もMRIを加えたことで精度も高まった。調査員に関しては、予備調査がトレーニングにもなり、レベルを高めることができたが、血液中のビタミン類や重金属と尿中のメチルニコチンアミドの測定において、採取料が予定より多く必要だということがわかり、現段階でメチルニコチンアミドとアミノ酸測定が進んでいない。生体試料の採集方法と量について病院との調整を行っている。 今年度の予備調査の結果をふまえ、調査方法の修正を行い、すでに本格調査を一部開始した。予算の範囲で、対象者をできるだけ増やし、統計的な解析に向けて中国との調整を進めている。
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