研究課題/領域番号 |
18590573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
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研究分担者 |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
佐野 有理 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338023)
吉岡 範幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70365229)
衛藤 憲人 東海大学, 開発工学部, 講師 (60365228)
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キーワード | トリクロロエチレン / 種差 / DNAチップ / トランスクリプトーム / 初代培養肝細胞 |
研究概要 |
本年度、NPO法人HAB研究機構よりヒト肝細胞の分譲を受け、2.5および5mMの濃度でトリクロロエチレン(以下、TCE)曝露実験を行った。肝細胞の状態は良好であり、total RNA抽出、cDNAさらにはcRNAの合成を行い、これをDNAチップ(U133 plus 2.0、Affymetrix社)にハイブリダイゼーションし、解析上の要求である4例目のトランスクリプトームを得た。4個体のうち、少なくとも3以上でP or Mとなったプローブについて、ベイズの理論により、有意(p<0.01)に変化したプローブを抽出した。以前に得ているマウス、ラットのトランスクリプトームと併せ、3種の比較検討を行っている。ゲノムレベルでのパスウェイの解析、可視化プログラムGenMAPP中のソフトMAPPFinderを使って変化したプローブが有意に多い、または、少ないパスウェイ、GO(gene ontology)termを抽出した。TCEも含まれるペルオキシゾーム増殖薬に特徴的なβ酸化に関与する遺伝子の発現亢進はマウスの5mM、24時間後のみに見られ、ヒトでは長鎖脂肪酸合成に関与する遺伝子の発現が亢進していた。さらに、変化した遺伝子群と既知の知見との異同を比較するプログラムGSEA(gene set enrichment analysis)により3種のトランスクリプトームの異同を比較した。種間の異同を検討するには、全てのプローブを使ったクラスター解析も有用である。これを行うためのヒト、マウス、ラットのホモロジー検索ソフトを完成させた。
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