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2006 年度 実績報告書

ダイオキシン胎内暴露の脳神経発達に及ぼす影響 -大脳辺縁系を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 18590577
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢医科大学

研究代表者

西条 旨子  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40198461)

研究分担者 中川 秀昭  金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
堀 悦郎  富山大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教授 (90313600)
キーワードダイオキシン / 大脳辺縁系 / 脳神経発達 / 次世代影響 / 運動発達 / 嫌悪回避行動 / 味覚嗜好性 / ラット
研究概要

在胎15日目に2,3,7,8-4塩化ダイオキシン(TCDD)1.0μg/kgを母獣に経口投与暴露して出生した仔ラットに行動実験を行い、ダイオキシン胎内暴露の大脳辺縁系に関連した、以下の3つの行動に及ぼす影響を明らかにした。
1)生後4目から14日まで傾斜板テストを行い、回旋に要する時間(潜時)を測定し、TCDD暴露群と対照群間で比較した。その結果、TCDD暴露群は成長による傾斜版テストの回旋時間の短縮が遅く、対照群と比べ上達に差が認められた。
2)生後19週目のオス仔ラットを、毎目シャトル・アボイダンス・テストを10回ずつ、5日間行う、長期学習群と、1日で50回行う短期学習群の2群に分けた。また、対照群も同様に2群に分けて、課題の学習方法の違う2つの行動について、TCDD投与群と対照群の相違を検討した。その結果、長期学習については、TCDD暴露群の回避率の改善は対照群と差がなかったがが、短期学習では、TCDD暴露群の回避率は対照群に比べ低く、回数を重ねることによる改善も遅かった。
3)TCDDの胎内暴露が味覚発達へ及ぼす影響を明らかにするため、離乳後の味覚発達について検討した。味覚嗜好性は6種のアミノ酸(トレオニン、グリシン、リジン、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、ヒスチジン、アルギニン)及び食塩を用いて検査し、生後24-28日と29-33日の各溶液の摂取量割合をTCDD暴露群と対照群で比較した。その結果、雌のTCDD暴露群では対照群で認められた生後29-33日のMSGの増加が認められず、リジンの摂取が増加しており、TCDDが味覚発達を障害する可能性が示唆された。
これらのことから、運動、学習、味覚の発達がTCDD暴露により障害されており、大脳辺縁系への影響が推察された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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