研究概要 |
現在、アフラトキシンの規制は日本ではB_1の暫定基準値のみであるが、FAO/WHO合同食品規約委員会による国際規格に照準を合わせ、B_1,B_2,G_1,G_2値を合計した総量規制が検討されている。前年度、アフラトキシンの自然汚染に関与すると考えられる真菌の菌株についてmultiplex PCR法でB変生菌とBG変生菌を区別できることが確認できた。今年度はアフラトキシン汚染食品からDNAを抽出し、直接、multiplex PCR法でアフラトキシン産生に関与する遺伝子の検出を試みた結果、コーンフラワー、コショウ、ピーナッツ等18検体(Totalアフラトキシン0.7〜392.9μg/kg)中、16検体から標的遺伝子を検出できた。検出できなかった2検体はアフラトキシン濃度が0.7あるいは0.17μg/kgと日本の基準値B_1 : 10μg/kgを大幅に下回っていた。また、アフラトキシンBとGが検出されたサンプルはすべて、PCRの結果と一致したが、アフラトキシンBしか検出されなかったサンプル7検体中3検体はPCRではBG変生菌の存在が予想された。
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