研究課題
基盤研究(C)
【背景・目的】マグネシウムは生体内においてナトリウムやカリウム、カルシウム、リン等のミネラルの作用と密接に関連している。また、血管平滑筋弛緩作用や抗炎症作用等の関与も報告されている。そこで、高血圧・循環器疾患に関する一般地域住民コホート研究である大迫研究のデータを用い、マグネシウムと循環器疾患リスクとの関連を検討した。循環器疾患リスクの指標としては、脳血管疾患発症の重要な予測因子として近年注目されている、頸動脈硬化を用いた。【方法】まず、頸動脈硬化指標(頚動脈内膜中膜複合体肥厚度および有プラーク割合)と家庭血圧および24時間自由行動下血圧との関連について検討した。さらに、保存血清を用いて血清マグネシウム濃度を測定し、保存血清採取同時期に頚動脈超音波検査を実施した住民を対象に、血清マグネシウム濃度と頸動脈硬化指標との関連を検討した。【結果】頸動脈硬化指標は、家庭血圧および24時間自由行動下血圧とその変動性の指標と密接に関連していた。さらに血清マグネシウム濃度高値は、家庭血圧・24時間自由行動下血圧とその変動性指標を補正後も、有意に頸動脈硬化の低リスク要因と関連していた。この関連は、ミネラルを含む危険因子で補正した多変量解析においても同様であった。【結論】血清マグネシウムは、血圧変動・ミネラルを含む危険因子と独立して頸動脈硬化指標と関連していた。低血清マグネシウム濃度は頸動脈硬化指標の危険因子あるいは予測因子である可能性が示唆された。
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日本循環器病予防学会誌 (In press)
Japanese Journal of Cardiovascular Zhang Y, Li Y, Shibahara S, Takahashi K.Diseaseprevention
Journal of Hypertension 25
ページ: 321-327
ページ: 1704-1710