研究課題
調査A ストーマ保有者の診療を担当する医師への質問紙調査日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会に所属する医師全員516名を対象として、無記名郵送自記式質問紙調査を実施(有効回答率36.1%)。医師がストーマ保有者から性相談を受ける頻度と相談内容、性機能障害に関する術前説明の実態、ストーマ保有者の性に関する態度と情報ニーズなどについて質問した。全体の51%が過去に性相談を受け、相談者は男性成人患者が多かった。ストーマ造設による性機能障害の可能性を術前に患者全員に説明する医師は43%に留まり、医師の説明行動は患者の性別・家族構成・臨床的条件など複数の要因に影響されることが明らかになった。「性相談も医師の仕事」とする回答は約9割にのぼり、性に関する医師の情報ニーズが高いこと、さらに、医師が知りたい性関連情報の具体的内容も明らかになった。本調査の結果は、前年度に実施したET/WOCナース調査の結果とあわせ、医療者向けの教材や研修会開発への活用が期待できる。また臨床現場における医師と看護師の役割分担の検討においても重要な基礎資料となる。調査B 若年女性ストーマ保有者調査前年度に引き続き、若年女性ストーマ保有者団体の協力を得て、資料の収集と性関連問題に関するヒアリングを実施。当初は郵送自記式質問紙調査を準備していたが、ヒアリングにより若年女性ストーマ保有者の個人属性による性的困難のバリエーションが極めて大きいことが明らかになり、質問紙の設問項目の再検討を余儀なくされた。今後も継続検討する予定である。若年ストーマ保有者の性的困難に関する国内外の資料収集およびヒアリングの知見は、ライフステージにあわせた支援を構築する上で重要な資料となる。
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