研究課題/領域番号 |
18590596
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30246045)
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研究分担者 |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
関本 美穂 京都大学, 医学研究科, 講師 (00244583)
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キーワード | 医療費分析 / 介護給付額 / 介護保険制度 / 高齢者 / 入院医療 / 施設ケア / 在宅ケア |
研究概要 |
国内のマクロ統計資料を用いて介護費に関連すると考えられる諸指標を収集し、介護費用の変化に関連する要因を分析した。介護保険給付費は、居宅サービス費、施設サービス費、総額に分けた。居宅サービス量は、デイサービス定員、デイケア定員(医療機関と老人保健施設の合算)を合計した。一方、施設サービス量は、療養病床数、老人保健施設定員、特別養護老人ホーム定員を合計した。都道府県間の介護保険第一号被保険者数の際を調整するために、介護保険第一号被保険者数1名もしくは100名あたりの値に変換し、2001年度と2004年度の都道府県別の各指標について、2001年から2004年(高齢者人口割合は2000年から2005年)の変化率を求めた。この変化率は、「(2004年統計値-2001年統計値)÷2001年統計値(×100)」と定義した。介護費総額の3年間の変化率は23.9±7.5%で、居宅サービス費は56.8±8.2%、施設サービスでは5.5±7.7%と、全体的には居宅サービス費で伸びが著しかった。サービス量の変化では、居宅サービス量の変化率が33.0±10.6%、施設サービス量では11.0±7.4%であり、サービス量の変化率でも、居宅サービスの変化が大きかった。高齢者割合の変化率は11.3±4.3%であった。介護費総額の変化率は、施設サービス費変化率と最も強い相関を示し(Spearmanのρ: 0.906、p<0.001)、入所サービス量変化率(同0.687、p<0.001)、居宅サービス変化率(同0.519、p<0.001)との間においても有意な相関が認められたが、高齢者割合変化率とは有意な相関が認められなかった。一方、居宅サービス費変化率と有意な相関が認められたのは居宅サービス量変化率のみ(同0.440、p=0.002)で、施設サービス費変化率では、施設サービス量変化率(同0.808、p<0.001)と居宅サービス量変化率(同0.440、p=0.002)で有意な相関が認められた。今回は、都道府県ごとに3年間の変化に限定して分析を行ったが、今後も新規データの収集を継続し、短期中期的なタイムスパンにおいて検討を行うことが必要である。
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