香川県の介護保険給付費データを用いて、平成12年4月から平成19年3月までの介護保険サービス利用者について、暗号化した個人番号で個人を紐付けて継続的な分析を行った。 同期間の毎1年間の平均的推移は、軽度者(要支援1、同2、要介護1)は約70%が軽度のままで、約13%が中・重度へと移行し、約0.5%が死亡していた。中度者(要介護2、同3)は約9%が軽度へ移行し、中度のままは約57%、重度へ約16%、約1.5%が死亡していた。重度者(要介護4、5)は約6%が軽・中度へ移行し、重度のままは約67%、約2.5%が死亡していた。 一方、平成19年2月の国保レセプトに記載されている疾病のうち最大10疾病を分類・収録し、同月の介護保険給付費データと暗号化した個人番号で突合し、男女別要介護度別の疾病受診状況を分析した。軽度者の男性では約60%が高血圧症、約55%が筋骨格系、約40%が脳血管疾患で受診し、女性では約65%が高血圧症、約70%が筋骨格系、約30%が脳血管疾患で受診していた。中度者の男性では約53%が高血圧症、約45%が筋骨格系、約50%が脳血管疾患で受診し、女性では約58%が高血圧症、約64%が筋骨格系、約35%が脳血管疾患で受診していた。重度者の男性では約42%が高血圧症、約40%が筋骨格系、約55%が脳血管疾患で受診し、女性では約43%が高血圧症、約45%が筋骨格系、約45%が脳血管疾患で受診していた。このように男女とも介護度が高くなるに従って、高血圧症や筋骨格系の受診が減少し、脳血管疾患の受診が増加していた。さらに、女性の認知症の受診は要支援1・2が約5%であったが、重度では約30%激増しでいた。
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