研究概要 |
若年男性および少数の若年女性を対象とした前回までの研究(I,II,及びIII)で、睡眠-覚醒のパターンを12時間後方ヘシフトさせたとき、生体諸変数の日内リズムに現れる反応の速度は変数によって大きな差があり、そのため変数間の同調性が壊れること、同時に変数の反応速度は対象者によって異なり、シフトに対する感受性は個人差が大きいことが示唆された。今回は日内リズムの反応に及ぼす性別や季節の影響を見た。 1年目(18年度)は春季に男女8名(男性3名,女性5名,年齢21〜27歳)を対象にした。(IV-1) 2年目(19年度)は秋季に男女7名(男性5名,女性2名,内男性1名・女性1名はIV-1と同じ対象者)を対象に下記の測定を実施した。(IV-2) 1.研究所内での日内リズムの測定 所内に72時間滞在し、睡眠時間、食事時刻など、生活パターンを過去の実験と同様に基準化して諸変数の目内リズムを測定した。 (1)生理的諸変数:体位・行動量,血圧・脈拍,体温,体重,血液中や尿中の生化学的・内分泌学的諸変数 (2)心理的諸変数:気分・感覚(独マールブルグ大学式Vigilance)記録,心理的特性(朝型・夜型度,性格特性,ストレス度)の調査 2.日常生活下での日内リズムの測定 上記実験前1週間と実験後の2週間、生活時間の記録、心理的変数の記録、ライフコーダーによる体位・身体活動量の自動記録を行った。 リズム分析の結果、諸変数の日内リズムは、季節の影響は少なかった。一年中授業時間で歩調が合わされているためと考えられる.また性別よりも個人差が大きいことが示唆された。
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