研究概要 |
1 ICのための説明文書に対する一般市民の理解度とわかりやすさ・安心感 平成18年度に行ったアンケート調査1(一般市民を対象としたICのための説明文書の理解度,わかりやすさ・安心感などの評価)の結果をさらに詳細に分析し,次の結果を論文として発表した.1)わかりにくさの理由には、見にくい、情報を整理した形で提示していない、難しいなど表現方法の問題と、必要な情報が足りないという情報不足の問題が見られた2)不安になった点は検査に伴うリスクや苦痛が多かった3)情報希求度では約85%の人が強く情報を求めていた4)属性との関係では理解度,情報提供量に年齢層による有意な差が,安心感の変化に検査経験の有無による有意な差が見られた5>理解度と評価問の関係では,説明文書に求める情報が十分に書かれているとわかりやすいと感じ,わかりやすいと感じると理解度や安心感が高くなるという関係が見られた. 2 ICのための説明文書に対する患者の理解度や評価と医療者の推測との比較 やはり平成18年度に行ったアンケート調査2(ICのための説明文書の患者の理解度,わかりやすさ・安心感などの評価とそれについての医療者の推測の比較)の結果を分析し,以下の結論を論文として発表した.1)医療者は患者の説明文書についての理解度や評価を大体正確に推測していたが,情報希求度については実際より高く推測していた2)半数以上の医療者は患者の理解度が約半分と推測される説明文書を使用する一方で,患者に高い理解度を望んでいた3)2)の理由として,約半数の医療者は口頭説明で理解を補えると考えており,約4分の1の医療者は改善方法が不明か多忙で余裕がないため改善が困難な状況であると考えられた4)少数ではあるが患者の情報理解を強く求めていない医療者も見られた.
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