研究課題/領域番号 |
18590632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
権守 邦夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10006744)
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研究分担者 |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
横山 和正 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50024948)
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キーワード | 急性脳症 / スギヒラタケ / 青酸濃度 / ヘッドスペースGC法 |
研究概要 |
1.きのこの採取:平成16年秋に原因不明の急性脳症が多発した秋田県内でスギヒラタケを採取した。また、同様に患者が多発した新潟県については、新潟県森林研究所に採取を依頼した。本年度はきのこ採取時期に雨が降り、十分な量のスギヒラタケが採取できたとはいえないが、採取したきのこは-30から-80℃の冷凍庫に実験まで保管した。 2.青酸濃度の年比較:スギヒラタケ中の青酸濃度に発生年による差があることも考えられるため、秋田県産スギヒラタケについて平成17年度に採取したきのこと平成18年度に採取したきのこの青酸濃度を比較検討した。青酸濃度の測定には今回、本科学研究費で購入したオートインジェクターを備えたガスクロマトグラフを使用した。青酸の測定はヘッドスペース法を用いるため、インキュベーション時間が長く、一分析あたりにかかる時間が大きいため、オートインジェクターの採用により、効率的測定が可能となった。スギヒラタケは各年4地点から採取したものを用い、測定の結果、平成17年はかなり高濃度の青酸含量を示すものが見られたが、平成18年度は4地点とも同じような値で、特に高濃度を示すスギヒラタケは見られなかった。 3.きのこの成長への塩化ナトリウムの影響について:スギヒラタケの発生初期から塩化ナトリウム水をきのこに散布し、成長したスギヒラタケ中の青酸濃度を測定した。青酸濃度への塩化ナトリウム散布の影響は観察されなかった。 4.青酸代謝酵素の活性比較:急性脳症を発症した患者の多くが透析患者や腎疾患の患者であったことから、青酸代謝酵素の活性を測定し、健常者との活性を比較検討した。透析患者29名、健常者11名の血液中ロダネーゼ活性を比較すると、両群間に差は認められなかった。今後、さらに検討の予定である。
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